気管支喘息包囲網-喘息死ゼロへ向けた最後の10年へ
気管支喘息の病態のパラダイムシフト
田中 明彦
1
,
黒川 真嗣
,
足立 満
1昭和大学 医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科
キーワード:
Steroids
,
Adrenergic Alpha-Antagonists
,
炎症
,
気管支拡張剤
,
気道疾患
,
気道抵抗
,
病的狭窄
,
喘息
,
Th1細胞
,
Th2細胞
,
気管支反応性亢進
,
吸入投与
,
気道リモデリング
,
Th17細胞
Keyword:
Administration, Inhalation
,
Adrenergic alpha-Antagonists
,
Airway Resistance
,
Bronchodilator Agents
,
Asthma
,
Constriction, Pathologic
,
Inflammation
,
Respiratory Tract Diseases
,
Steroids
,
Bronchial Hyperreactivity
,
Th1 Cells
,
Th2 Cells
,
Airway Remodeling
,
Th17 Cells
pp.377-383
発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011320530
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・喘息治療の歴史は深く、古代エジプトの時代から行われていたことが記されている。その当時から吸入ステロイド薬(ICS)が出現するまでのあいだは、気管支拡張薬が喘息治療の中心であった。すなわち、過去には長期にわたって気道収縮反応が喘息病態の中心として考えられてきた。・現在想定される喘息病態は、特異抗原の感作や気道感染によって誘導されるinterleukin(IL)-4やIL-5などのTh2サイトカインを頂点とした気道炎症や気道過敏性の亢進、そしてそれらによって引き起こされる気流制限へと変遷した。・気道炎症の証明は、喘息治療において革命的な影響を及ぼしたICSの出現と普及に深く関与している。・喘息病態の解明と喘息治療は密接に関与しており、さらなる喘息治療の進歩には今後も喘息病態のより詳細な解明が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2011