特集 免疫応答の負の制御:免疫恒常性の維持と疾患治療への応用
抑制性レセプターによるアレルギー・炎症制御
小田 ちぐさ
1
,
田原 聡子
,
渋谷 彰
1筑波大学 医学医療系免疫制御医学
キーワード:
アナフィラキシー
,
IgE
,
シグナルトランスダクション
,
アレルギー
,
炎症
,
肥満細胞
,
自然免疫
,
敗血症
,
ノックアウトマウス
,
Immunoreceptor Tyrosine-Based Inhibition Motif
,
分子標的治療
,
CD300a抗原
,
Allergin-1
Keyword:
Anaphylaxis
,
Immunoglobulin E
,
Hypersensitivity
,
Immunity, Innate
,
Inflammation
,
Mast Cells
,
Signal Transduction
,
Sepsis
,
Mice, Knockout
,
Molecular Targeted Therapy
,
Immunoreceptor Tyrosine-Based Inhibition Motif
,
CD300A Protein, Human
,
Gm885 Protein, Mouse
pp.1220-1226
発行日 2013年11月22日
Published Date 2013/11/22
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肥満細胞はアレルギー発症制御のための標的細胞となる一方で,病原体に対する自然免疫系の作動という観点からも大きな役割を担っている.これまでに筆者らは,肥満細胞に発現する抑制性レセプターであるAllergin-1とCD300aの解析を進め,Allergin-1およびCD300aがいずれも抑制性シグナル伝達モチーフ(ITIM)を介して肥満細胞での活性化シグナルを抑制することを明らかにした.さらに,Allergin-1 KOマウスでは肥満細胞を介したアナフィラキシー反応が増悪するのに対し,CD300a KOマウスでは敗血症の生存率が改善することを見いだした.よって,Allergin-1とCD300aは肥満細胞を介したアレルギーおよび炎症制御のための治療標的分子となりうる可能性がある.
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