特集 神経免疫:多発性硬化症、脳虚血、アルツハイマー病、精神疾患における炎症反応と免疫異常
神経変性と神経炎症の分子ネットワーク解析
佐藤 準一
1
1明治薬科大学 薬学部生命創薬科学科バイオインフォマティクス
キーワード:
Alzheimer病
,
遺伝子発現調節
,
神経炎
,
神経変性
,
多発性硬化症
,
Calcitriol Receptors
,
Cyclic AMP Response Element-Binding Protein
,
遺伝子発現プロファイリング
,
新薬開発
,
システム生物学
,
遺伝子発現調節ネットワーク
,
分子標的治療
Keyword:
Alzheimer Disease
,
Gene Expression Regulation
,
Nerve Degeneration
,
Multiple Sclerosis
,
Neuritis
,
Receptors, Calcitriol
,
Cyclic AMP Response Element-Binding Protein
,
Gene Expression Profiling
,
Systems Biology
,
Drug Discovery
,
Gene Regulatory Networks
,
Molecular Targeted Therapy
pp.1028-1035
発行日 2011年9月22日
Published Date 2011/9/22
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近年,ヒトゲノムの解読が完了し,個々の細胞における遺伝子やタンパク質の発現情報を網羅的に解析可能なポストゲノム時代が到来した.創薬研究の中心は網羅的発現解析を統合したオミックス研究に基盤を置くゲノム創薬へとパラダイムシフトした.ヒトは大規模な分子ネットワークで精密に構築された複雑系であり,多くの難病がシステム固有の防御機構であるロバストネスの破綻に起因する.いまだ特効薬がない神経変性疾患 アルツハイマー病や炎症性脱髄疾患 多発性硬化症では,分子機序の解明および新規の標的分子に対する画期的な創薬が待望されている.最近,筆者らは神経疾患のオミックスデータに関して,分子ネットワークを詳細に解析して,創薬標的分子を同定した.今後はゲノムワイドの分子ネットワーク解析が,神経難病の病態解明や治療薬開発のためにますます重要な研究戦略となると思われる.
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