特集 神経免疫:多発性硬化症、脳虚血、アルツハイマー病、精神疾患における炎症反応と免疫異常
神経細胞死におけるミクログリアの役割
錫村 明生
1
1名古屋大学環境医学研究所 免疫系分野
キーワード:
シグナルトランスダクション
,
神経炎
,
神経毒
,
神経変性
,
ニューロン
,
自然免疫
,
Glutamic Acid
,
神経保護物質
,
ミクログリア
,
Toll-Like Receptors
,
遅発性神経細胞死
Keyword:
Immunity, Innate
,
Nerve Degeneration
,
Neurons
,
Neurotoxins
,
Neuritis
,
Signal Transduction
,
Microglia
,
Neuroprotective Agents
,
Glutamic Acid
,
Toll-Like Receptors
pp.1042-1045
発行日 2011年9月22日
Published Date 2011/9/22
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変性に陥った神経細胞の周囲には活性化されたミクログリアが存在し,種々の炎症性因子を産生している.近年,このミクログリア主体の神経炎症が慢性的に神経傷害を引き起こしている可能性が示唆されている.ミクログリアは活性化に伴い神経傷害因子も神経保護因子も産生する諸刃の剣である.傷害を受けた神経細胞からの助けを求めるシグナルに対して,ミクログリアは神経保護的にも働く.したがって,ミクログリアの傷害因子のみを抑制する,あるいは傷害性ミクログリアへの分化(偏移)を抑制することが神経変性を治療する有力な戦略になりうると考えられる.
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