特集 薬物療法時代の肝細胞癌診断と治療
薬物療法時代におけるTACEの位置づけ
西尾福 英之
1
,
田中 利洋
1
1奈良県立医科大学 放射線診断・IVR学講座
キーワード:
BCLC stage B
,
肝動脈化学塞栓療法(TACE)
,
薬物療法
,
ALBIスコア
Keyword:
BCLC stage B
,
肝動脈化学塞栓療法(TACE)
,
薬物療法
,
ALBIスコア
pp.277-284
発行日 2023年2月25日
Published Date 2023/2/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000004402
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● conventional TACE(C-TACE;従来の肝動脈化学塞栓療法)は,完全奏効(complete response;CR)を達成できる局所制御率の高い治療法であるが,複数の薬物療法が登場する時代になり,肝機能を極力温存するような精度の高いTACEが求められており,画像ナビゲーションを使用し手技を均一化していくことが重要である.
● Barcelona Clinic Liver Cancer(BCLC) stage Bの肝細胞癌に対する標準治療はTACEであるが,病態が多様であることから細分化が進み,TACE不応・不能・不適の定義が提唱されている.
● BCLC stage Cの肝細胞癌に対して,分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など複数の薬物療法が登場したことで,肝細胞癌に対する治療の選択肢が増え,BCLC stage Bにおいても,薬物療法を導入することが予後延長に寄与する可能性が示されつつある.
● 肝細胞癌患者における肝機能の評価方法として,Child-Pughスコアだけでなく客観性の高いalbumin-bilirubin(ALBI)スコアも普及している.
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