特集 薬物療法時代の肝細胞癌診断と治療
肝細胞癌に対する薬物療法の進歩
青木 智子
1
,
上嶋 一臣
1
,
工藤 正俊
1
1近畿大学医学部消化器内科
キーワード:
肝細胞癌
,
複合免疫療法
,
分子標的薬
,
集学的治療
Keyword:
肝細胞癌
,
複合免疫療法
,
分子標的薬
,
集学的治療
pp.270-276
発行日 2023年2月25日
Published Date 2023/2/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000004401
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● 肝内に限局する肝細胞癌(HCC)では,肝切除・ラジオ波焼灼療法(RFA)が最も成績が良いが,多結節癒合型・低分化型・脈管浸潤あり・腫瘍数3個以上の場合に,根治術後の再発が多い.
● 肝外転移や脈管浸潤を伴うadvanced stage HCC,あるいは肝動脈化学塞栓療法(TACE)不適・不応なintermediate stage HCCでは,積極的な全身薬物療法が推奨されている.奏効率・忍容性の観点からアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法が第一選択薬であるが,自己免疫疾患を有する症例など免疫療法が不適な場合には,従来のレンバチニブあるいはソラフェニブが第一選択薬となる.
● 複合免疫療法は,TACEやRFAなどの局所療法との相性が良く,併用しながら奏効率を向上させる取り組みがなされている.
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