特集 肝細胞癌の集学的治療
2.肝細胞癌治療の実際(4)薬物療法⑥ 薬物療法におけるバイオマーカー
小玉 尚宏
1
,
竹原 徹郎
1
1大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学
キーワード:
複合免疫療法
,
マルチキナーゼ阻害剤
,
免疫チェックポイント阻害剤
,
VEGF
,
PD-L1
Keyword:
複合免疫療法
,
マルチキナーゼ阻害剤
,
免疫チェックポイント阻害剤
,
VEGF
,
PD-L1
pp.551-557
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003022
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
切除不能肝細胞癌に対しては,二種類の複合免疫療法を中心として現在8レジメンが使用可能である.一方,いずれのレジメンにおいても根治を目指せる症例はいまだ少なく,その最適化には各薬剤の治療効果や副作用を予測するバイオマーカーの開発が重要である.これまで肝細胞癌において臨床応用されたバイオマーカーはラムシルマブのAFP 400 ng/ml以上のみであるが,腫瘍組織の遺伝子変異・発現変化や血液中の液性因子,免疫細胞の頻度,さらには腸内細菌やMRI画像所見などさまざまなバイオマーカーの候補が報告されている.今後はこれらのバイオマーカーの前向き検証や各種薬剤における有用性の違いを検討していくことが重要である.
Copyright © 2024, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.