『画像診断』40周年に寄せて
時時の初心忘るべからず
似鳥 俊明
1
1前 杏林大学医学部放射線医学教室
pp.142-143
発行日 2020年1月25日
Published Date 2020/1/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000001499
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数年前,ベトナムの仏教寺院と山岳民族を訪ねるという少し変わったツアーに加わった際,能に精通した方と友達になり“初心忘るべからず”の意味を教わった.「室町時代の能の完成者世阿弥のことばです.現代では“若い頃の最初の志を忘れるな”の意味に使われますが,本来の意味は違います.初心とは未熟さのことです.いわば初心者の初心です.“時時の初心”“老後の初心”を忘れるなと続きますが,修業の時々の各段階で,また老いてすら,なお初めて直面する壁や試練があるもので,そのつど未熟さを自覚することが肝要と説いているものです.ウブな心を生涯忘れるなとも言い換えられるでしょう」
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