特集 進展経路からアプローチする頭頸部癌の画像診断
8. 甲状腺癌に関連する進展経路 8.2 反回神経麻痺に関連する腫瘍進展
齋藤 尚子
1
1埼玉医科大学国際医療センター画像診断科
キーワード:
反回神経麻痺
,
腫瘍進展
Keyword:
反回神経麻痺
,
腫瘍進展
pp.892-893
発行日 2019年6月25日
Published Date 2019/6/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000001227
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甲状腺癌の反回神経への浸潤は,TNM分類(AJCC/UICC,第8版)でT4aに区分される.反回神経はT4aの中で最も頻度の高い浸潤部位である.甲状腺癌における反回神経麻痺の原因のほとんどは腫瘍による直接の反回神経浸潤(図2参照)で,他にリンパ節転移による浸潤がある.反回神経浸潤単独例では,Ex 0(腺外浸潤なし)またはEx 1(腺外浸潤が胸骨甲状筋あるいは脂肪組織にとどまる)例と比較して再発率が有意に高いとの報告がある1).また,腫瘍浸潤のため反回神経を合併切除した甲状腺乳頭癌を対象とした検討で,反回神経を含む複数の臓器浸潤(気管や食道,頸部血管)が最も予後不良な因子であると報告されている.
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