特集 進展経路からアプローチする頭頸部癌の画像診断
7. 唾液腺癌に関連する進展経路 7.2 顔面神経に沿った神経周囲進展
藤井 裕之
1
,
藤田 晃史
1
1自治医科大学放射線医学教室
キーワード:
顔面神経
,
神経周囲進展
Keyword:
顔面神経
,
神経周囲進展
pp.886-887
発行日 2019年6月25日
Published Date 2019/6/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000001224
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神経周囲進展(perineural spread)は,原発病変が神経内膜や神経周膜に沿って進展する進展様式を指す.約半数で無症候性であり,進行期になってから神経症状が明らかになることが多いため,診断に至るまでに時間を要する.神経周囲進展は局所再発・遠隔転移のリスクファクターであることから,画像診断による早期診断が重要である.また,正確な進展範囲の評価は,原発巣切除の可否,放射線治療の適応や照射設定など,治療方針決定において重要な要素である.神経周囲進展は,神経走行に沿って中枢側,末梢側のいずれにも進展しうる.必ずしも連続性に認められるわけではなく,神経走行に沿って非連続性にskip lesionを形成する場合もある.画像上は神経の腫大や腫瘤形成,異常造影効果,神経走行路の脂肪組織の消失,神経孔の拡大などで判断する.
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