画像診断と病理
食道平滑筋腫
兵藤 良太
1
,
岩野 信吾
1
,
長縄 慎二
1
,
宮田 一志
2
,
島田 聡子
3
1名古屋大学医学部附属病院放射線科
2名古屋大学医学部附属病院消化器外科一
3名古屋大学医学部附属病院病理部
pp.662-663
発行日 2019年5月25日
Published Date 2019/5/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000001162
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40歳台,女性.上腹部痛のため前医を受診し,内視鏡にて食道粘膜下腫瘍を指摘され,治療のため当院紹介となった.受診時の腹部CTでは,胸部下部食道~噴門部の後壁を主座とする5cmほどの腫瘤を認めた.単純CTでは筋と等吸収で,動脈相での造影効果に乏しく,平衡相でも筋肉とほぼ同等の造影効果を示した.内部は均一で,壊死や出血,嚢胞,石灰化は認められず,周囲との境界は明瞭で,浸潤所見は認められなかった.また,明らかな消化管通過障害は認められなかった.他院のMRI(非提示)ではT1強調像,T2強調像とも内部均一で筋肉と等信号であり,脂肪含有は認められなかった.拡散強調像は軽度高信号であったが,ADCは高値を示していた.18F-FDG PET/CTでは局所に高集積(SUVmax7.54)を認めたが,遠隔転移は認められなかった.胸腔鏡補助下食道腫瘍核出術が施行された.
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