画像診断
男性膀胱平滑筋腫
斎藤 一隆
1
,
東 四雄
1
,
田利 清信
1
1埼玉県立がんセンタ一泌尿器科
キーワード:
膀胱
,
平滑筋腫
Keyword:
膀胱
,
平滑筋腫
pp.691-693
発行日 1997年8月20日
Published Date 1997/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902136
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患者 49歳,男性。
主訴 排尿時痛。
現病歴 1994年7月に排尿時痛を主訴に近医を受診し,尿道炎,前立腺炎として経過観察されていた。1996年3月に顕微鏡的血尿が出現。IVP, CT, MRIの各検査を施行したところ,膀胱に腫瘍を認めたため,1996年6月4日に当科を紹介された。
入院後経過 膀胱鏡では,左側壁に圧排によると思われる隆起がみられたが,粘膜の異常は認めなかった。IVP(図1),超音波(図2),骨盤部CT(図3),MRI(図4)の各検査により膀胱粘膜下腫瘍,なかでも平滑筋腫を強く疑った。6月19日に腫瘍核出術を施行した。
病理組織学的診断 腫瘍は紡錘形の平滑筋細胞が錯綜しており,核の分裂像や異型性は認めず,平滑筋腫と診断した(図5)。一部に出血巣を認め,これはCT検査でのリング状に造影された低吸収域部分,およびMRI検査での高信号域部分に相当すると考えられた。術後7か月を経過したが,再発を認めていない。
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