連載 五臓の働きを知り 補う治療で元気にする!Dr.Shinのよくわかる即戦力漢方 第20回
血の充実でこころとからだを元気にする!
橋本 進一
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1医療法人若樹会 橋本医院
pp.100-108
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2026010023
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血を考えるうえでのポイント
▶ 血(栄養)は気(エネルギー)産生の材料であり,組織の構築と修復には必須で(図1),五臓の脾,肝,心に関係が深い.
▶ 血は主に脾で食物が吸収消化されることをスタートとして作られ,肝に貯蔵され,心に送られ全身に運ばれる(図2 a ).
▶ 脾の力が衰える脾虚では,血を作る量が減少し血虚となりやすい.血虚では,全身の栄養状態が低下を表し,からだとこころの量的・質的な機能低下が生じる.
▶ 血の産生量が低下すると,肝での血の貯蔵量が減少する(肝血虚).肝は精神のコントロールタワーなので,肝血虚ではイライラや怒りなどのメンタル不調をきたしやすい.つまり,西洋医学的にいえば栄養不良では精神不安定に陥るのと同義である.
▶ 心は精神活動のモーターなので,心への血の供給が減少(心血虚)すると,意欲低下,うつ症状,認知機能低下,悲哀感,不眠などを生じ思惟活動が低下する.西洋医学的にいえば,栄養不良では精神活動のレベルが低下し,こころの元気度が低下する状態と同じである.

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