連載 五臓の働きを知り 補う治療で元気にする!Dr.Shinのよくわかる即戦力漢方 第19回
気の充実で一生元気!
橋本 進一
1
1医療法人若樹会 橋本医院
pp.1746-1755
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2025130021
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気の産生のポイント
▶ 気はエネルギーであり,血(栄養)が材料である.気は五臓では腎・脾・肺の共同作業により産生される.
▶ 気虚(気の不足)では疲労倦怠感や息切れ,さらには冷え症状が重要症状である.
▶ 気の作用はいろいろあるが,まずは動かす作用と温める作用があると理解する.
▶ 気の産生には腎の機能が保たれていることが必須で,腎は気の産生工場と考えられ,西洋医学的にはアデノシン三リン酸(adenosine triphosphate:ATP)を産生するミトコンドリアをイメージするとよい.
▶ 脾と肺は,気の産生工場である腎に,材料である血(栄養)と清気(酸素)を提供している(図1).
▶ 日本漢方で補気(エネルギー産生能力を高める)とは主に補脾(消化機能を高める)のことを述べており,補腎とは全く別に扱われるが,補腎が補気の根本であると知るべし.
▶ 漢方における補気とは主に補脾であるが,それだけでは気の産生を十分まかなえず症状改善できないことがある.その背景には腎虚があり,補腎を加えることで気虚を解消できることが多い.

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