Japanese
English
今月の主題 内視鏡医も知っておくべき病理診断リファレンス—上部消化管腫瘍
主題アトラス
胃:低分化腺癌,充実型および非充実型
Poorly Differentiated Adenocarcinoma, Solid Type and Non-solid Type
六反 啓文
1
,
牛久 哲男
1,2
Hirofumi Rokutan
1
1東京大学医学部附属病院病理部
2東京大学大学院医学系研究科人体病理学・病理診断学
キーワード:
低分化腺癌
,
充実型
,
非充実型
,
マイクロサテライト不安定性
Keyword:
低分化腺癌
,
充実型
,
非充実型
,
マイクロサテライト不安定性
pp.408-411
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202000
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概念・定義
腺腔形成に乏しいかほとんどみられない腺癌を低分化腺癌(por)と呼ぶ.低分化腺癌は充実型低分化腺癌(por1)と非充実型低分化腺癌(por2)に大別され,両者は組織発生やゲノム異常,生物学的振る舞いが異なるため区別する必要がある.
微小癌として発見される癌の組織型は印環細胞癌(sig)か高分化管状腺癌のみであり,基本的に発生当初にはpor1やpor2の癌は存在しない.一般に,por1は管状腺癌や乳頭腺癌から変化して生じ,これらの分化型癌と同様,主に高齢者の腸上皮化生を伴う萎縮性粘膜に発生し,2型病変を形成することが多く,静脈侵襲を来し肝転移などの血行性転移を示しやすい.一方,por2は主にsig,あるいはその他の組織型から変化して生じ,高齢者の萎縮性粘膜に加え,若年者の腸上皮化生のない粘膜にも発生し,3型や4型病変を形成する.リンパ行性転移や腹膜播種を来しやすい.
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