特集 実際どうなの?SGLT2阻害薬
SGLT2阻害薬の現在の推奨と現場でのプラクティス
循環器内科医の視点
齋藤 秀輝
1
1聖隷浜松病院 循環器科・心血管カテーテル治療科
pp.257-263
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2024030004
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はじめに
かつて1つの薬剤でこんなに議論されたことはあっただろうか.そもそもSGLT2阻害薬 は,腎臓での糖の再吸収を抑え,尿中の糖排泄を増加させることで,血糖降下作用を有す るというコンセプトで開発された.しかし,同薬剤が発売後に心不全抑制,慢性腎臓病 (chronic kidney disease:CKD)の進行抑制の効果が証明され,慢性心不全や慢性腎臓病 の適応まで拡大されると,どのような患者に導入していくべきか,という点に関して診療 科をまたいだ議論がされるようになった.筆者個人も,ここ数年内科学会やプライマリ・ ケア連合学会でSGLT2阻害薬の適応と活用に関してのセッションに登壇し,診療科ごと のスタンスの違いに触れる機会が多かった.今回は循環器内科医の立場として,心不全適 応を中心にSGLT2阻害薬について再考していければと思う.
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