保健行政スコープ
循環器疾患対策の新たな視点
土居 弘幸
1
1厚生省保健医療局企画課
pp.362-363
発行日 1991年5月15日
Published Date 1991/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900352
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●はじめに
循環器疾患は発症の予防および疾患の進展防止が可能な疾患であり,リスクファクターのコントロールがその鍵である.したがって,予防に焦点を当てた対策が重要となる.また平均寿命の延びと共に,循環器疾患を持つ高齢者が増加し“疾患を抱えつつも質の高いQOL”を保障する医療が望まれている.これら高齢者をめぐる施策の充実については,単に福祉政策だけでは十分ではなく,成人病対策の充実が必要不可欠である.すでに寝たきりとなった老人に対してリハビリテーションを行うことのみならず,寝たきりの原因疾患,すなわち脳卒中等の循環器疾患を予防することで寝たきりとなる人そのものを減らすことによって,より効率的な刻策が実施されよう.
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