連載 総合診療POEMs ─診療で使える!旬なオススメ文献─ 第15回
状態が良好であるうつ病患者に対して抗うつ薬の継続は必要?
岡田 悟
1
,
山下 真稔
2
,
西村 正大
2
1東京北医療センター 総合診療科
2地域医療振興協会 奈良市立都祁診療所
pp.1536-1539
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023120019
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抗うつ薬は中止してよいのか?
厚生労働省が行った患者調査によると躁うつ病を含む気分(感情)障害患者は, 2017年時点で約127万人と増加傾向である1).また,経済協力開発機構(OECD)の メンタルヘルスに関する国際調査の結果では,うつ病症状を有する日本人の割合は, コロナ禍前の7.9 %(2013年調査)に対し,2020年では17.3%と2.2倍に増加してい た2).このように今後もうつ病患者が増加していくことが予想される. 総合診療医/プライマリ・ケア医として抗うつ薬を処方されている患者を診療する 機会は少なくない.そして,精神状態が落ち着いている患者の場合,抗うつ薬の継続 について悩むこともある(とくに訪問診療を行っており,精神科受診ができない場合). ポリファーマシーを避けるためにも状態が良好であれば抗うつ薬は中止してもよいの だろうか?
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