Japanese
English
研究と報告
抗うつ薬と効果再現性—反復性大うつ病患者を対象として
Response to the Same Antidepressant Retreatment in Patients with Recurrent Major Depression
佐々木 一郎
1
,
土山 幸之助
1
,
藤井 薫
1
Ichiro SASAKI
1
,
Konosuke TSUCHIYAMA
1
,
Isao FUJII
1
1大分医科大学精神神経科学教室
1Department of Neuropsychiatry, Oita Medical University
キーワード:
Major depression(recurrent)
,
Antidepressant
,
Retreatment
,
Response rate
Keyword:
Major depression(recurrent)
,
Antidepressant
,
Retreatment
,
Response rate
pp.825-828
発行日 1996年8月15日
Published Date 1996/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904150
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
【抄録】反復性大うつ病患者が再発した際に,前回有効であった同一抗うつ薬の効果再現率などについて調査,検討した。
効果再現率は63.6%であった。また,効果再現性のなかった群においては,有効抗うつ薬初回投与時よりも2回目投与時において,17項目・ハミルトンうつ病評価尺度(HRSD)の総得点が有意に高く,HRSD各項目別の得点では精神運動抑制の項目のみが有意に高かった。
繰り返される大うつ病エピソードの際に,前回有効であった同一抗うつ薬を第一選択として用いることは合理的と思われるが,前回より抑うつ状態が重篤で,かつ,症状として精神運動抑制が強い場合には,効果再現性が期待できない可能性が示唆された。
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.