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I.はじめに
三環系抗うつ薬のアミン再取り込み阻害能やMAO阻害剤によるモノアミンのシナプスにおけるavailabilityの亢進は,抗うつ薬の作用機序として重要視され,うつ病のアミン仮説の根拠の一つとなってきた1,2)。しかしすでによく知られているように,アミン再取り込み阻害能は投与後数10分から数時間内にみられる急性の効果であり,連続投与するとnegative feedbackや代償性の調節によりNEや5HTの代謝回転に変化がなくなるという報告が多数みられる3)。さらにアミン再取り込み阻害能やMAO阻害能のない抗うつ薬が臨床応用されるようにもなった4)。したがって臨床的に抗うつ薬投与後1〜2週間目に発現する抗うつ効果5)を,NEや5HTのシナプスにおける増加やそれに伴う代謝回転の低下で説明することは困難であるといえる。抗うつ薬の作用機序に関する研究は,急性投与時の薬理作用から連続投与後の効果の解明,とりわけadaptiveな変化を生じうるモノアミン受容体に対する作用の検討へと発展してきた。
Banerjeeら(1977)6)により見出された抗うつ薬慢性投与後のラット大脳皮質β-adrenergic(β)受容体数の減少は,その後多数の研究者により支持され,三環系抗うつ薬のほかMAO阻害剤やEST処置によつても同様のβ受容体数の減少が観察されている7,8)。
We investigated the effects of long-term administration of various psychotropic agents on the monoaminergic receptor binding sites in rat cerebral cortex. Subchronic treatment of various antidepressant drugs produced consistent decrease in the numbers of β-adrenergic (β) and 5HT-2, but not α-2-adrenergic and 5HT-1, receptor binding sites, whereras sonic neuroleptic agents reduced the density of 5HT-2 receptor binding sites.
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