Japanese
English
短報
抗うつ薬の投与によりブラキシズムを生じたうつ病の2症例
Antidepressant-induced Bruxism: 2 case reports
宮岡 剛
1
,
上垣 淳
1
,
三浦 星治
1
,
岡崎 四方
1
,
山崎 繁
1
,
三原 卓己
1
,
清水 予旨子
1
,
安川 玲
1
,
坪内 健
1
,
水野 創一
1
,
前田 孝弘
1
,
助川 鶴平
1,2
,
稲垣 卓司
1
,
堀口 淳
1
Tsuyoshi MIYAOKA
1
,
Jun UEGAKI
1
,
Seiji MIURA
1
,
Siho OKAZAKI
1
,
Shigeru YAMAZAKI
1
,
Takumi MIHARA
1
,
Yoshiko SHIMIZU
1
,
Rei YASUKAWA
1
,
Ken TSUBOUCHI
1
,
Shoichi MIZUNO
1
,
Takahiro MAEDA
1
,
Tsuruhei SUKEGAWA
1,2
,
Takuji INAGAKI
1
,
Jun HORIGUCHI
1
1島根医科大学医学部精神医学講座
2国立療養所鳥取病院精神科
1Department of Psychiatry, Shimane Medical University
2National Tottori Hospital
キーワード:
Bruxism
,
SSRI
,
Antidepressant
,
Tandospirone
Keyword:
Bruxism
,
SSRI
,
Antidepressant
,
Tandospirone
pp.1005-1007
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902709
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はじめに
歯ぎしり(bruxism:ブラキシズム)は睡眠時の口腔習癖として古くから知られており,歯周疾患,歯の過度な咬耗,顎機能障害などに影響があると考えられている。心理的因子と歯科的因子とがブラキシズム発症に関与すると推察されているが,ブラキシズムの病因などの詳細については未解明の点が多い5)。
近年,欧米において選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などの向精神薬により,非睡眠時のブラキシズムが誘発されたとする報告がいくつかあり,睡眠時のブラキシズムとは区別され,錐体外路症状として考察されている1,3,11)。特にSSRI誘発性ブラキシズムが注目され,その治療法の1つに5-HT1A作動薬であるブスピロンの投与が有効であるとする報告がある2)。しかし,我々の知るかぎりにおいて,本邦の精神科領域における報告は皆無である。
今回,SSRIなどの抗うつ薬の投与によりブラキシズムを生じたうつ病の2症例を経験した。この2症例のブラキシズムには,症例1では修正電気けいれん療法が,また症例2ではタンドスピロンの投与が奏効した。そこで今回はこれらの症例について報告し,若干の考察を加える。
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