特集 総合診療×脳梗塞
急性期:診断から急性期病院での治療,精査,退院まで
もともと抗血小板薬を内服している場合に二次予防をどうするか?
加藤 開
1
,
野﨑 由迅
1
1東京北医療センター 総合診療科
pp.1360-1364
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023110010
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はじめに
改訂TOAST分類(SSS-TOAST)1)では脳梗塞を,①大血管アテローム硬化(アテローム 性脳梗塞),② 心原性脳塞栓症,③ 小血管病変(ラクナ梗塞),④ その他の確定的な原因, ⑤原因が決定できないもの,に分類している.このうちラクナ梗塞とアテローム性脳梗塞 の二次予防に抗血小板療法が用いられる.脳梗塞罹患後1年以内の再発率は脳梗塞の分類 にかかわらず約8%程度と報告されているが2),アスピリンのプラセボに対する脳梗塞再 発の相対リスク減少率は20%程度である.よって二次予防で抗血小板薬の内服中に脳梗 塞を再発することは珍しいことではないが,二次予防に失敗したときの対応について明確 なエビデンスは存在しない.そこで,①抗血小板薬が奏効しているか,②抗血小板薬への 耐性がないか,③ほかの病因である可能性はないか,④危険因子のマネジメントは適切か どうかに沿って考えるとアセスメントしやすい.本稿ではこの考え方に基づき,各事項に かかわるエビデンスなどを整理したい.
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