特集 抗血小板薬,抗凝固薬のすべて
11.抗血小板薬,抗凝固薬内服中の出血への対応—出血の同定から拮抗薬の使用まで
小畑 礼一郎
1
Reiichiro OBATA
1
1Department of medicine, Mount Sinai Beth Israel
pp.603-611
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900707
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冠動脈疾患に対するアスピリン,ADP/P2Y12受容体阻害薬の使用,非弁膜性心房細動や静脈血栓症に対する直接経口抗凝固薬(DOAC)など,種々の疾病に対して抗血小板薬,または抗凝固薬を使用している患者をみない日はないかもしれない。
抗血小板薬,抗凝固薬のいずれの薬剤の使用中でも,抗血栓効果の反面,当然ながら出血のリスクが伴う。さらに両者の併用ではより出血のリスクが増すことも知られている1)。加えて,出血性合併症が死亡率を上昇させ,その要因として貧血で臓器への酸素供給が低下することによる臓器不全の進行,続発する致死的不整脈の発症などが挙げられており,出血を迅速に認識し対応することも求められる2)。
本稿では,抗血栓薬使用下での出血の同定から拮抗薬の使用までを中心としたアプローチを考える。
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