特集 明日から始める!ジェネラリストのための転倒予防アプローチ
場所から考える転倒予防
病院(病棟)で考える転倒予防
安部 幸
1
1帰巖会みえ病院 看護部
pp.1201-1205
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023100004
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はじめに
近年,高齢化により入院患者の高齢化率も増加している.加齢に伴う筋力低下による運 動障害や認知機能の低下により危険回避行動が難しくなったり,動けるのに動かないこと による廃用症候群の進行,加齢や治療に伴う内服薬の増加が要因となって転倒・転落のリ スクが高まっている.また,病状回復やリハビリテーションが進み日常生活動作(activities of daily living:ADL)が向上することで「自分は動ける」,「人様に迷惑はかけられない」と いう認識と身体能力・実行能力との齟齬により転倒が起こりやすく,多くは患者の自発的 動作により引き起こされる.そのため多くの病院が入院生活を安全に過ごせるように, 個々の患者の状況に応じたさまざまな工夫をしている.しかし,転倒・転落を完全に防げ ず,ジレンマを抱えていることが多い.今回,当院で行われている転倒・転落の対策と取 り組みについて述べる.
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