地域で考える転倒予防

はじめに

　65歳以上の高齢者において転倒発生率は年間3人に1人ほど認められるとされる．ADL 低下の原因となる骨折は高齢になるにつれ頻度が高くなる．転倒のリスク因子には，本人 の特性に関連する内因性リスクと環境などの外因性リスクがあるが，単一の因子のみが原 因となることは少なく複数の因子が関与していることが多い．このため，在宅や施設内で も転倒リスク評価や転倒要因の課題を抽出したうえで，転倒・骨折予防に向けた介入や環 境改善が行われている．今回，当地域での健康づくり・転倒予防に向けた取り組みを紹介 し，地域で考える転倒予防について考察したい．