特集 明日から始める!ジェネラリストのための転倒予防アプローチ
○○から考える転倒予防
排泄から考える転倒予防
榊原 千秋
1,2
1うんこ文化センターおまかせうんチッチ
2一般社団法人日本うんこ文化学会
pp.1247-1251
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023100014
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はじめに
病院や介護施設,在宅で発生する転倒の多くが排泄に関連している.排泄に関連する転倒 の①内的要因として,筋力低下や平衡機能低下などの加齢変化や身体的疾患による歩行機能 の低下,睡眠薬や抗うつ薬などによる薬物の影響がある.②外的要因として,トイレまで の動線や段差や履物などの物的環境がある.厚く重ねたおむつが歩行を妨げていることも ある.③行動要因には,本人側の行動要因と介助側の行動要因がある.黒川1)によると, 行動要因は,転倒につながる行動・行為であり,行動には必ずその人なりの理由があり,本 人側の行動要因には,「トイレに行きたい」,「一人で動きたい」といった要求に基づく行動で, 介助側の行動要因は「ナースコールで呼んでくれるだろう」といった希望的観測に基づくも のである.これらの行動要因の存在を理解しておくことは転倒対策の重要な視点である.
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