特集 関節痛 リウマチ・膠原病診療に強くなる
関節痛の診察・診断
プライマリ・ケアで身につけたい関節疾患の臨床スキル
黒谷 一志
1
1隠岐広域連合立 隠岐島前病院
pp.854-857
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023070007
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超音波診断装置を用いた関節疾患診療
関節疾患診療において,身体所見が重要であることは論を俟たない.しかし,身体所見 の診察手技は,術者による技量差があるものも多い.たとえば,身体所見による膝関節液 貯留の診断は,感度18.2 ~ 85.7%,特異度35.3 ~ 93.3%であるとのMaricarらの報告1) もある.超音波診断装置(エコー)を使用することで,膝関節液貯留は簡単に描出できる. さらに,関節の形態変化を可視化でき,パワードプラを用いて炎症の評価もできる.ベッ ドサイドに1台置けば,リアルタイムに検査が可能で,非侵襲的な検査で繰り返し行うこ ともでき,診断のみならず,治療効果判定にも使用できる.そのままエコーガイド下での 穿刺も行うことができる.
今回,日常診療においてみる頻度の高い,膝関節,肩峰下滑液包,肩関節後方アプロー チのエコー描出と穿刺方法につき解説する.
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