特集 ポストコロナの感染症
輸入感染症
サル痘─ 正しい知識を身につけ,正しく恐れる─
石金 正裕
1,2,3,4
1国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院 総合感染症科
2国際感染症センター
3WHO 協力センター
4AMR 臨床リファレンスセンター
pp.334-339
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023030008
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
欧米中心に世界中で流行し,PHEIC になった
サル痘は,オルソポックスウイルス属のサル痘ウイルスによる感染症である.1970年にヒトでの感染が発見されて以来,中央アフリカから西アフリカにかけて流行している.2022年以降(多くは5月以降)にヨーロッパを中心に世界的な流行を起こしている.2023年1月1日時点で,110 ヵ国と地域で82,624例の確定例,65例の死亡例が報告されている.死亡例の主な国は,アメリカ20例,ブラジル14例,ナイジェリア7例である1). 世界的な流行を受け,WHOから2022年7月21日にサル痘の流行が国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(Public Health Emergency of International Concern:PHEIC)と宣言された.
Copyright© 2023 NANZANDO Co.,Ltd. All Rights Reserved.