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特集 神経科学実験マニュアル
実験動物取り扱い法
サル
Monkey
松波 謙一
1,2
Ken-ichi Matsunami
1,2
1京都大学霊長類研究所神経生理部門
2岐阜大学医学部反射研究施設
pp.282-286
発行日 1985年8月15日
Published Date 1985/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904743
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■ 実験動物としての特徴・意義
実験動物としての特徴と意義は,サルがヒトに一番近い動物であるということにつきる。医学に枠を絞っても,ポリオワクチン,B型肝炎といった予防・臨床医学からの要望が強い。またレトロウイルスを目安に,霊長類の系統進化を調べることができたりする思わぬ局面が開かれたが,これもヒトとの近縁性を抜きにしては考えられない。こうした観点から,サル使用の要望は強い。しかし,サル使用の規制も強い。アメリカ合衆国は世界一のサルの消費国であるが,その輸入数は1982年に16,651頭,1983年には13,148頭と2万頭を割った。
中枢神経系の研究という面だけから,サルを使う理由を挙げれば,(1)大脳が発達しており,知能が高く,複雑な課題を学習させられる。(2)連合野の発達が良く,連合野の機能,解剖を知るのに適している。(3)視聴覚系はヒトと似ており,神経心理学,神経生理学の実験をするのによい。(4)手の操作が発達しており,運動機能の研究にむいている。ということである。
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