徹底分析シリーズ 帝王切開の全身麻酔を紐解く
妊婦の気道管理って本当に難しいの?—妊婦の全身麻酔を過度に恐れない…正しい知識と適切な対処方法を身につけよう!!
齋藤 朋之
1
Tomoyuki SAITO
1
1獨協医科大学埼玉医療センター 麻酔科
pp.1084-1090
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202114
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約20年前,帝王切開の麻酔方法は,極力,脊髄くも膜下麻酔を選択するように指導を受けた。1985〜1990年の記録調査にもとづく米国の報告1)では,脊髄幹麻酔と全身麻酔の死亡に対する相対リスク比は16.7で,当時の指導医は“帝王切開の全身麻酔は怖い”という印象をもっていた。その後,死亡の相対リスク比は下がったが,当時日本で使用可能なビデオ喉頭鏡もないうえに,使える薬物の種類は少なく,確立されたガイドラインが不足していた。
本稿では“帝王切開の気道管理”について,『OAA DAS Obstetric Airway Guideline 2015』2)を解説しながら紐解いていく。
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