病気のミニ世界史
痘瘡
大熊 房太郎
pp.44
発行日 1970年9月1日
Published Date 1970/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661915008
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最近,種痘禍ということが大きな社会問題になっていますが,1798年,イギリスのジェンナーが牛痘種痘法を発見するまでは,私たちが痘瘡(天然痘)によってこうむっていた災害は実に甚大なるものでした。
その猛威は,ときには国家,民族の運命までかえ,たとえばスペインの侵入者たちによってアメリカ・インディアンがやすやすと征服されたのも,侵入者がもたらした痘瘡の大流行で約350万人が死亡し,インディアンが戦闘力を失ってしまったからだ……一といわれています。
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