特集 不明熱のカルテ
古典的不明熱
低Na血症で入院後に原因不明の発熱をきたした,肝臓がん治療後の87歳男性
佐田 竜一
1
1大阪大学大学院医学系研究科 変革的感染制御システム開発学
pp.184-188
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023020008
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ファーストインプレッション
比較的症状に乏しい高齢発症の院内不明熱と考えると,鑑別は図1の通りになる.ただし背景に悪性腫瘍治療後であることや経過も長くなりつつあることから,古典的不明熱も含めた幅広い鑑別が必要と考えた. ● 肺炎・尿路感染・皮膚軟部組織感染症,血流感染など,院内発熱における頻度の高い疾患 ● “7D”(Device / Debris / Decubitus / Difficile / DVT / CPPD / Drug) ● 古典的不明熱を起こしやすい感染症,腫瘍,膠原病,その他のカテゴリー 感染症:肺炎,尿路感染,深部膿瘍,CD腸炎,椎体炎,肝膿瘍など 腫瘍:過去の既往から肝臓がん再発,転移 膠原病: 症状を生じづらい膠原病としての全身性エリテマトーデス,血管炎(微小血 管ならANCA関連血管炎,大血管なら側頭動脈炎) その他:バセドウ病,副腎不全など 主にこれらの鑑別疾患の追加問診・診察・検査を追加した.
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