特集 不明熱のカルテ
古典的不明熱
レボフロキサシン内服中でシャント造設後に発熱をきたした50歳男性
田畑 洋輝
1
,
玉井 道裕
1
1組合立諏訪中央病院 総合診療科
pp.176-182
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023020007
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ファーストインプレッション
陽性の症状は発熱,倦怠感,食思不振のみであり,問診・身体診察上,熱源は不明であった.悪性疾患や自己免疫性疾患が否定できるわけではないが,急性経過であったためまずは感染症を疑った.アトピー性皮膚炎が背景にあり皮膚バリアの脆弱性が予想されprimary bacteremiaの可能性も疑った.また,入院4日前に自己血管によるシャント造設術を行ったこと,手術中の操作が難渋していたこともあり,皮膚や創部からの血流感染がもっとも疑わしいと考えた.嚢胞感染に対して抗生剤内服下の発熱であることから,膿瘍形成,薬剤熱,クロストリジウム感染症も想起した(表1).血液培養を採取し,LVFXの内服を中止とした.血液培養が陽性とならなければ血液培養再検の方針とした.
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