薬語図鑑-基礎薬学用語を現場で使える知識に訳してみました 第2部 臨床現場で見聞きする用語編
中毒
95 一酸化炭素中毒とCOHb
-一酸化炭素中毒およびCOHbを介した中毒症状のメカニズムとは?
榎屋 友幸
1
1鈴鹿医療科学大学薬学部医薬品情報学研究室 准教授
pp.808-809
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023040153
- 有料閲覧
- 文献概要
一酸化炭素とCO 中毒の診断・治療
一酸化炭素(CO)は,炭素系の素材の不完全燃焼により発生する無色・無臭のガスです.自動車などの排気ガスや燃料を使用する暖房機,火災などで発生することが知られています.CO 中毒は,現場の状況(CO の発生源の有無,同様の症状を有するヒトや動物の存在など)や,高濃度・高流量の酸素投与による改善,血液中の一酸化炭素ヘモグロビン(COHb)濃度の上昇で診断されます(COHb 濃度は全ヘモグロビン中でCO と結合したヘモグロビンの割合で示す).重症な患者では乳酸アシドーシスを呈するため,乳酸アシドーシスはCO 中毒の重症度評価として使われます.
Copyright© 2023 NANZANDO Co.,Ltd. All Rights Reserved.