薬語図鑑-基礎薬学用語を現場で使える知識に訳してみました 第2部 臨床現場で見聞きする用語編
中毒
94 LD50
-医薬品を含む薬物の致死量として示されるLD50はどのように算出されているか?
榎屋 友幸
1
1鈴鹿医療科学大学薬学部医薬品情報学研究室 准教授
pp.806-807
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023040152
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LD50
LD50 のLD は,lethal dose(致死量)の略です.薬物のLD50 とは,投与した動物の50% が死んでしまう薬物投与量と定義されます.テトロドトキシンのLD50 を求めた論文を例にあげて説明します1).投与量(体重当たりの投与量)を変えて,マウスにテトロドトキシンを強制的に経口投与したところ,各投与量での死亡率は表1 のようになりました.これを横軸に投与量の対数,縦軸に死亡率としてプロットします.プロットした点についてシグモイド関数(不連続な値をなめらかにつなぐ曲線で示す関数)で回帰式を求めると,図のようなS 状曲線(シグモイド曲線という)が得られます.このS 状曲線から死亡率50% となるところの投与量を求め,これをテトロドトキシンの経口投与時におけるLD50 と定義します.
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