薬語図鑑-基礎薬学用語を現場で使える知識に訳してみました 第2部 臨床現場で見聞きする用語編
代謝
07 インクレチン
-インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬・GLP-1受容体作動薬)はどのように作用しているのか?
彦坂 麻美
1
1成田記念病院薬局
pp.622-623
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023040065
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インクレチン
インクレチンとは,食事摂取により消化管から分泌されるペプチドホルモンで,グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)とグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の2 種類が確認されています.GIP は上部小腸の腸内分泌細胞の一種であるK 細胞から,GLP-1 は下部小腸や大腸の腸内分泌細胞であるL 細胞から分泌されます.インクレチンは食後数分~ 15 分で膵臓のβ細胞に作用し,血糖依存的にインスリン分泌を促進するとともに,グルカゴン分泌抑制作用をもつことが知られています.これはグルコース(ブドウ糖)を経口的に投与した場合にみられる作用で,経静脈的に投与した場合にはみられず,インクレチン効果(図1)といわれています.
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