糖尿病診療の新時代 2010年代の展望
インクレチン治療への期待
成田 琢磨
1
1秋田大学 大学院医学系研究科内分泌・代謝・老年内科学
キーワード:
Gastric Inhibitory Polypeptide
,
食欲抑制剤
,
体重
,
糖尿病-2型
,
インスリン分泌細胞
,
Glucagon-Like Peptide 1
,
Incretins
,
Dipeptidyl-Peptidase IV Inhibitors
Keyword:
Body Weight
,
Appetite Depressants
,
Diabetes Mellitus, Type 2
,
Gastric Inhibitory Polypeptide
,
Insulin-Secreting Cells
,
Glucagon-Like Peptide 1
,
Incretins
,
Dipeptidyl-Peptidase IV Inhibitors
pp.13-18
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010082267
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インクレチンのうちGLP-1には、血糖低下作用・インスリン分泌刺激作用以外に胃排泄・胃酸分泌抑制、満腹作用、抗肥満作用、膵β細胞増殖・分化・保護作用等が知られ、GLP-1作用増強治療は2型糖尿病の病態の根本であるインスリン抵抗性・膵β細胞機能低下を解消しうる。GLP-1によるインスリン分泌刺激は血糖依存性で、食後に作用が強く、低血糖をきたしにくく従来のインスリン分泌刺激薬とは大きな違いがある。GLP-1は生体ではDPPIVにより速やかに分解されるが、注射薬のGLP-1ミメティクスは構造を変えたアゴニストであり、内服薬はDPPIVの阻害薬である。両者とも糖尿病治療のパラダイム変化を起こす可能性がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2010