特集 メタボ治療のゲームチェンジャー!? GIP/GLP-1受容体作動薬
「インクレチン物語」新章はじまる① インクレチンの概念提唱からインクレチン受容体作動薬の登場まで
瀬野 陽平
1
,
池口 絵理
1
,
矢部 大介
1
1京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学
pp.748-752
発行日 2025年4月5日
Published Date 2025/4/5
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2025050004
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Key Points
1906年にインクレチンの概念が提唱されて以来,インクレチン効果の証明,GIP・GLP-1の同定,さらには遺伝子改変動物による多面的効果の評価など,国内外の研究者の精力的な研究により2型糖尿病や肥満症の治療薬としてインクレチン受容体作動薬の創薬が可能になった.
GLP-1受容体作動薬は血糖改善だけでなく,心血管イベント抑制や腎保護作用を有し,additional benefitsが期待できる薬剤としての地位を確立している.一方,GIP/GLP-1受容体作動薬については今後のエビデンスが待たれるため,慎重な取り扱いが必要である.
インクレチン受容体作動薬の不適切な使用による重篤な副作用も報告されており,慎重な適応判断が必要である.日本糖尿病学会のRecommendationを参照されたい.

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