薬語図鑑-基礎薬学用語を現場で使える知識に訳してみました 第1部 添付文書に登場する用語編
化学
50 酸塩基反応と緩衝剤
-注射剤・点眼剤などでの緩衝剤のはたらきでpHは変わらない?
浅井 考介
1
,
柴田 奈央
2
1ヤナセ薬局
2アトリアふじ薬局
pp.590-591
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023040050
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複数の注射剤をミキシングする場合では,注射剤同士の配合変化が問題なることがあります.たとえば,酸性の注射剤と塩基性の注射薬をミキシングすると,酸塩基反応をおこし,白濁,混濁,沈殿などの外観変化や含量低下などが起こります.配合変化は,期待される効果が得られないばかりか,ときに健康被害を招く可能性があります.点眼液では,薬の成分が酸性,塩基性の両方の性質をもつような場合があり,pH の変動により角膜刺激の増大や成分の結晶化などの変性が起きてしまう可能性があります.そのため,これらの薬剤にはpH 変動を抑制する緩衝剤が配合されています.
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