特集 睡眠薬のトリセツ 今すぐ使える不眠治療の処方箋
キホン事例で学ぶ「減量・切り替え」その理由① 睡眠薬の切り替え・減量の全般論
梅田 賢太
1
1松山記念病院 診療部薬剤課
pp.267-272
発行日 2023年2月5日
Published Date 2023/2/5
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023020022
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Key Points
不眠を安心・安全に改善し,治療による不利益を最小化するために,治療開始時から薬物治療の終結を見据えたストラテジーを立案する.
ベンゾジアゼピン受容体作動薬による治療の終結には,この薬剤の特性を理解し,依存形成,耐性化,離脱症状などを生じさせない,一人ひとりの患者にあった緩徐な離脱プログラムを行う.
離脱プログラムでは,無理のない減量・剤数削減・置き換え・離脱(中止・休薬)を実現するために,短時間作用型から長時間作用型への切り替えや,より安全な薬剤への切り替えが行われる.
切り替え・減量過程には多くの共通する特性があるものの,薬剤の種類,作用の質的差異,使用期間,その他多くの点において個人差が大きく,その人特有の離脱症状を呈する.
安心・安全に治療薬からの離脱を迎えるには,患者や関係者との良好な治療関係が必須である.治療開始時には共同意思決定(SDM)を行い,プロセスにおいてもSDMスパイラルを形成してモチベーションの維持と向上に努める.
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