特集 睡眠薬のトリセツ 今すぐ使える不眠治療の処方箋
睡眠薬の特徴から不眠のイロハを整理する② 作用時間から不眠の4つのタイプを整理する
内山 道子
1
1弘前愛成会病院
pp.199-202
発行日 2023年2月5日
Published Date 2023/2/5
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023020009
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GABAA受容体に作用するベンゾジアゼピン受容体作動薬は,不眠に対する効果は証明されているものの,転倒や健忘などの有害事象,不適切な使用,常用量依存といった問題が指摘されており,2017年3月には医薬品医療機器総合機構(PMDA)から「ベンゾジアゼピン受容体作動薬の依存性について」1)という医薬品適正使用に関する文書が発出されている.また,診療報酬上でも多剤併用や長期使用が減算対象となっており,適正使用が求められている.
2010年以降,メラトニン受容体作動薬とオレキシン受容体拮抗薬が発売され,ベンゾジアゼピン受容体作動薬とは作用機序の異なる薬剤の使用が可能となった.2013年に発表された『睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン ─出⼝を⾒据えた不眠医療マニュアル─』では,不眠症の診断と治療のアルゴリズムが提示されている(図)2).このアルゴリズムを参考に,不眠症状の鑑別診断を行い,長期的な安全面に配慮した適正な薬物治療を実践することが重要である.
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