連載 24時間戦えません 看護職と睡眠の深い世界・9
不眠症—睡眠薬の使い方
黄田 和
1
,
村岡 寛之
1,2
,
稲田 健
1,2
1北里大学病院精神神経科
2北里大学医学部精神科学
pp.894-897
発行日 2024年10月10日
Published Date 2024/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686202778
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はじめに
不眠症は代表的な睡眠障害の1つです。入眠困難,中途覚醒,早朝覚醒のうちのいずれかが週3回以上,少なくとも3か月間持続し,日中の機能障害が生じている場合に不眠症と診断されます。不眠症の頻度は成人の約10%と高く,不眠症の影響は日中の眠気や集中力低下,倦怠感,抑うつや不安など多種多様な精神・身体症状に及びます。
不眠症の治療として睡眠薬の処方頻度は高く,日本人成人の約5%に処方されています。睡眠薬は不眠症治療の有効な手段である一方で,持ち越し効果,転倒,依存などの問題も指摘されています。本稿では睡眠薬の適正使用と,実臨床に沿った入院患者における不眠症治療の問題点を扱います。
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