特集 内科医に求められる他科の知識―専門家が伝えるDo/Don’t
第9章 精神神経科
TOPICS
統合失調症
嶽北 佳輝
1
1関西医科大学精神神経科学教室
pp.1995-1996
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1995
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統合失調症とは
統合失調症は,診断基準において表1のように定義されている精神障害である1).主な症状には,幻覚・妄想・自我障害・思考障害・行動の異常といった陽性症状,感情鈍麻・無為・自閉などの陰性症状,記憶・思考・理解・計算・学習・言語・判断などの知的能力の低下などに代表される認知機能障害があり,これに加えて不安,抑うつなどの症状も認められる.有病率は0.87~1%であるが,多くが慢性的な経過をたどり,その経過のなかで人格水準の低下がみられる.このため,罹患患者における就労率は10~30%台と,一般人口と比較しきわめて低いことが報告されている.
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