特集 抗菌薬供給トラブル もし入手困難になったら、そのときどうする
主要な抗菌薬が供給不足になったときに考慮する代替薬 バンコマイシン(注射)
植田 貴史
1
1兵庫医科大学病院 感染制御部
キーワード:
Enterococcus faecium
,
Vancomycin
,
投薬計画
,
微生物薬物感受性試験
,
ブドウ球菌感染症
,
メチシリン耐性
,
病院薬局業務
,
Daptomycin
,
Teicoplanin
,
髄膜炎-細菌性
,
Linezolid
,
Enterococcus Infection
,
菌血症
,
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
,
Coagulase-Negative Staphylococcus
Keyword:
Drug Administration Schedule
,
Vancomycin
,
Enterococcus faecium
,
Linezolid
,
Meningitis, Bacterial
,
Teicoplanin
,
Bacteremia
,
Methicillin Resistance
,
Daptomycin
,
Pharmacy Service, Hospital
,
Microbial Sensitivity Tests
,
Staphylococcal Infections
,
Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus
pp.476-482
発行日 2021年3月5日
Published Date 2021/3/5
DOI https://doi.org/10.15104/J01461.2021149552
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<Key Points>◎バンコマイシン(VCM)はグラム陽性菌に活性を示し、主にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、メチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MRCNS)、Enterococcus faeciumによる感染症に適応となる。◎代替薬としては、同じグリコペプチド系抗菌薬のテイコプラニン(TEIC)が推奨され、複雑性感染症に対しては1回12mg/kgの高用量の初期投与設計が推奨される。◎TEICおよびダプトマイシン(DAP)は髄液への移行性が不良のため、髄膜炎ではVCMの代替薬および効果不良例に対してはリネゾリド(LZD)が適応となる。◎TEICの低感受性株(MIC≧8μg/mL)のMRCNSでは、TEIC治療は再燃のリスクになるため、DAPの適応も検討する。◎E.faeciumの菌血症に対してDAPでの治療効果不良も報告されているため、VCMの代替薬はTEICを第一選択と考え、TEICの投与が困難な場合や効果不良例ではLZDの適応も検討する。
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