特集 貧血 最新の薬物治療戦略と実践ポイント
こんなときどうする?プロが教える実践ポイントQ&A! 鉄過剰症のときにはどう対応するか?鉄キレート剤はどの患者にどう使う?
鈴木 隆浩
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1北里大学 医学部血液内科学
キーワード:
Deferoxamine
,
Ferritins
,
鉄キレート剤
,
骨髄異形成症候群
,
活性酸素
,
化学物質誘発肝障害
,
消化器徴候と症状
,
腎臓疾患
,
貧血-再生不良性
,
診療ガイドライン
,
赤血球輸血
,
鉄過剰症
,
Deferasirox
Keyword:
Iron Chelating Agents
,
Ferritins
,
Myelodysplastic Syndromes
,
Kidney Diseases
,
Signs and Symptoms, Digestive
,
Erythrocyte Transfusion
,
Reactive Oxygen Species
,
Iron Overload
,
Practice Guidelines as Topic
,
Deferasirox
,
Deferoxamine
,
Anemia, Aplastic
,
Chemical and Drug Induced Liver Injury
pp.3181-3186
発行日 2020年9月5日
Published Date 2020/9/5
DOI https://doi.org/10.15104/J01461.2020378962
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<Key Points>◎頻回の赤血球輸血は鉄過剰症をきたし、過剰鉄は活性酸素を産生することで組織傷害を引き起こす。◎高フェリチン血症は低リスク骨髄異形成症候群(MDS)の負の予後因子であり、造血幹細胞移植でも非再発死亡率に負の影響を与える。◎輸血依存患者では定期的に血清フェリチン値をモニターし、血清フェリチン値1,000ng/mLを目安に鉄キレート療法を開始する。◎鉄キレート療法は1年以上の予後が見込まれる症例がよい適応であり、低リスクMDSや造血幹細胞移植を予定している症例では予後改善も考えられる。◎治療開始後は血清フェリチンをモニターしながら、有害事象に気をつけながらフェリチン値500ng/mL以下を目標に治療を行う。◎鉄キレート療法によって臓器障害の予防、改善が期待できるほか、低リスクMDSでは生命予後の改善も期待可能である。造血能の改善が認められることもある。
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