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日本老年看護学会第18回学術集会特集Ⅰ ワークショップ4
高齢者の胃瘻造設や経管栄養に関する決定プロセスと,選択権をはじめとする倫理上の問題に関する多国間でのとらえ方の相違から学ぶ(第3報)─スウェーデンの意思決定支援の実際および国会議員の法制化に向けた取り組みから現状打開に向けた方策を検討する
Lesson from International Differences in the Decision Making Process for Percutaneous Endoscopic Gastrostomy or Tube Feeding in the Elderly and Approaches to Ethical Issues Starting with the Right of Choice (No.3): Examining Strategies for Improvements Based on Decision-making Support in Sweden and National Diet Initiatives for Legislation
ストランデル グスタフ
1
,
阿部 俊子
,
正木 治恵
2
,
井出 訓
3
,
片岡 万里
4
,
辻村 真由子
2
,
張 平平
5
Strandell Gustav
1
,
Toshiko Abe
,
Harue Masaki
2
,
Satoshi Ide
3
,
Mari Kataoka
4
,
Mayuko Tsujimura
2
,
Pingping Zhang
5
1株式会社舞浜倶楽部
2千葉大学
3放送大学
4高知大学
5埼玉県立大学
1Maihama Club
2Chiba University
3The Open University of Japan
4Kochi University
5Saitama Prefectural University
pp.40-44
発行日 2013年11月30日
Published Date 2013/11/30
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
Ⅰ.ワークショップ開催にあたって
On the Occasion of the Opening of the Workshop
前国際交流委員会
高齢者の胃瘻造設や経管栄養の決定プロセスと選択権をはじめとする倫理上の問題は,老年看護においてますます議論を積み上げていくべき課題のひとつであると考えられる.2011年度の日本老年看護学会第16回学術集会国際交流委員会企画交流集会では,アジア圏(中国,韓国,日本)の専門家によって高齢者の胃瘻造設や経管栄養に関する諸問題についての1回目の討議を行った.その結果,患者本人が望み家族もよしとできる意思決定が困難な状況にある現状が明らかになった(正木ら,2012a).引き続き,2012年度の日本老年看護学会第17回学術集会国際交流委員会企画交流集会で,スウェーデンの基本的なケア理念の紹介や日本の介護老人保健施設での事例報告を基に2回目の討議を重ねた結果,胃瘻造設や経管栄養についての市民教育および患者本人,家族,医療従事者の認識転換が必要であることが見いだされた(正木ら,2012b).そこで2013年度の日本老年看護学会第18回学術集会国際交流委員会企画として,日本文化に合った共通理解の基盤づくりのため,福祉先進国とよばれているスウェーデンの方を引き続き招き,さらに終末期医療における意思決定の法制化に尽力する看護職の代表である国会議員を招聘し,わが国の現状打開に向けた具体的な方策を検討するワークショップを開催した.ここに,3回目討議としての本ワークショップにおける演者の発表概要および参加者からのレスポンスペーパーの分析結果を報告する.
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