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Ⅰ.交流集会開催にあたって
On the Occasion of the Opening of the Exchange Seminar
国際交流委員会
昨年度の日本老年看護学会第16回学術集会国際交流委員会企画の交流集会では,アジア圏(中国,韓国,日本)の専門家によって高齢者の胃瘻造設や経管栄養に関する諸問題についての討議を行った.討議により,胃瘻造設や経管栄養にまつわる医療・ケアの現場では,患者本人が望み家族もよしとできる意思決定が困難な状況にある現状が明確になった(正木ら,2012).日本老年医学会が示した「高齢者の摂食嚥下障害に対する人工的な水分・栄養補給法の導入をめぐる意思決定プロセスの整備とガイドライン作成」2012には,①医療・介護における意思決定プロセス,②いのちについてどう考えるか,③AHN(人工的な水分・栄養補給法)導入に関する意思決定プロセスにおける留意点,の3項目が明記されている(日本老年医学会,2012).一方,高齢者の医療およびケアの現場における困難な意思決定の現状を打破するためには,日本社会の歴史的文化的背景を踏まえつつ,価値が多様化している現代の人々の視点で考え,新たな時代の医療とケアのあるべき姿を探ることが必要であると考える.そこで,本年度は日本の専門家および延命目的で胃瘻造設や経管栄養が施されていないヨーロッパ(スウェーデン)の講演者を招き,外国のとらえ方を視野にわが国の意思決定が困難な現状から脱却するための示唆を得ることを目的として,引き続き,日本老年看護学会第17回学術集会国際交流委員会企画の交流集会を開催した.
1人目のスウェーデン出身の講演者である舞浜倶楽部代表取締役社長グスタフ・ストランデル氏には,スウェーデンのケアの理念を中心に報告いただき,スウェーデンにおける高齢者の胃瘻造設や経管栄養に関する状況を語ってもらった.
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