感染症対策update-ひろげない,ふやさない,もらわない 病原体をひろげないための方策
標準予防策をあらためて考える
月森 彩加
1
,
中村 造
1東京医科大学附属病院 感染制御部感染症科
キーワード:
院内感染
,
眼の保護具
,
マスク
,
ユニバーサルプリコーション
,
感染予防管理
,
防護手袋
,
手指衛生
,
個人用保護具
Keyword:
Personal Protective Equipment
,
Cross Infection
,
Eye Protective Devices
,
Masks
,
Infection Control
,
Universal Precautions
,
Gloves, Protective
,
Hand Hygiene
pp.867-870
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017009423
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標準予防策とは,汗を除くすべての湿性生体物質を感染性があるものとし,感染症の有無にかかわらず,すべての患者に適応される感染対策である.ここ最近の医療現場では,「手指衛生をしましょう」などの標準予防策のポスターが貼られていたり,キャンペーンを行っていたりする光景がよくみられる.しかし,標準予防策が大事なのはわかっているが,どう大事なのか,アルコールによる手指衛生はやっているが,そのやり方があっているか,十分に標準予防策を理解している医療従事者は多くないと思われる.標準予防策は医療を行う以上,やらなければならないものである.何のために行うのか,どのタイミングで行うのか,正しく知識を身に着け,自分自身が必要なものであると理解しなければ,感染の伝播は必ず起こる.標準予防策には,患者への感染伝播を拡大させない意味はもちろんのこと,医療従事者の感染リスクを低減させるため,自分を守るためでもあり,標準予防策を行う正しいタイミング,状況によって使いこなさなければならない個人防護具がある.
©Nankodo Co., Ltd., 2016