Japanese
English
日本老年看護学会設立20周年記念特集「未来への提言」 日本老年看護学会会員の立場から
老年看護学研究の未来
Gerontological Nursing Research in the future
亀井 智子
1,2
Tomoko Kamei
1,2
1日本老年看護学会
2聖路加国際大学看護学部
1Japan Academy of Gerontological Nursing
2St. Luke's International University, College of Nursing
pp.50-53
発行日 2015年6月30日
Published Date 2015/6/30
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
1.はじめに
日本老年看護学会が設立20周年を迎えましたことを,こころより御祝い申し上げます.また,記念特集号に執筆の機会をいただいたことに,厚く御礼申し上げます.
老年看護学研究は,少子超高齢社会の急速な進展という社会背景のなかにあり,それに影響を受けながら研究テーマや研究手法は変遷しているように思う.日本老年看護学会が設立された1995年当時の65歳以上高齢者の割合は14.6%,75歳以上の後期高齢者の割合は5.7%であった.この20年の間に65歳以上の割合は1.7倍,後期高齢者の割合は2.2倍となり,平均寿命は男女ともに約3.8歳延伸し,高齢化が加速した.
1996年に創刊された本誌『老年看護学』第1巻第1号に掲載された論文のテーマをみると,在宅高齢者の生活パターンの類型化,老人虐待,介護負担,家族の機能者,看護学生,施設のMRSA対策,訪問看護サービス,高齢がん患者,病院の看護の実態など,老年看護学研究で扱う研究範囲の広さがうかがえる.また,最新号である2015年3月発刊の第19巻第2号では,看護学生の高齢者観,看護・介護・リハビリテーション関連職の情報授受,要介護高齢者の社会貢献,日中独居高齢者の不安と対処などが掲載され,研究テーマの変遷がうかがえる.
本稿では,現在の老年看護学研究に関する課題を挙げ,それについて今後どのようなアプローチを取り得るのか,老年看護学研究の未来について私見を述べたい.
Copyright © 2015, Japan Academy of Gerontological Nursing All rights reserved.