─認知症看護認定看護師の立場から─高齢者専門の急性期病院における認知症看護の浸透を目指して

はじめに

　東京都健康長寿医療センター（以下，当センター）は，病床数579床，28診療科を有し，全国でも数少ない高齢者の急性期医療を専門としている．当センターの入院患者の平均年齢は78歳台であり，うち約3割に認知症の存在が示唆されている．

　筆者は，認知症看護認定看護師として活動を始めてから5年が経過した．当センターにおいて試行錯誤しながら実践してきた看護を振り返り，「高齢者への貢献」について考えたことを述べる．